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【シルク・絹を服に使うといったいどんな特徴?】ファッション・生活に役立つメリット・デメリットをご紹介。

高級繊維・素材として知られる「シルク・絹」。

シルク・絹はスーツ、ジャケット、コート、ニット、肌着とさまざまな衣類に使われており、一流のハイブランドでも多く使用される繊維・素材です。

シルク・絹を使った服は価格は高い傾向ですが、他の繊維・生地にはない上質さ、高級感を演出してくれます。

上質さ・高級感を演出してくれるシルク・絹ですが、

「シルク・絹とはいったい何なのか?」

「特徴・メリット・デメリットとは?」

シルク・絹は高級繊維・素材と何となく認識しているだけで詳しい特徴・メリット・デメリットについて知らないという人も多いです。

高級繊維・素材として知られるシルク・絹にフォーカスしてご紹介します。

 

1.シルク・絹とは?

シルク・絹とは蛾の幼虫の蚕の繭(まゆ)から作られる繊維です。

繊維には主原料が天然素材を使った「天然繊維」と化学的に合成、加工して作った「化学繊維」に分けられます。

天然繊維は綿・麻の「植物繊維」、ウールなどの「動物繊維」の二つに分けられます。

化学繊維は原料、製造方法によって「合成繊維」、「再生繊維」、「半合成繊維」、「無機繊維」の4つに分けられます。

今回ご紹介するシルク・絹は天然繊維の動物繊維に属します。

シルク・絹の繊維の原料となる蚕の繭は約20種のアミノ酸を含むタンパク質繊維です。

シルク・絹の成分は肌の成分に近いことから「第二の肌」と言われるほど身体に優しい繊維・素材です。

美しい見た目、優れた機能性、着心地の良さを持つシルク・絹はフォーマルから肌着まで使われ、最高の繊維として古来より使用されている繊維・素材です。

 

2.シルク・絹のメリットとは?

シルク・絹の繊維・素材には多くのメリットがあるため衣類、インテリアとさまざまな製品で使われています。

 

◇シルク・絹のメリット

①.美しい光沢感がある

②.夏は涼しく、冬は暖かい

③.静電気が起きにくい

④.手触り・肌触りの良さ

⑤.紫外線を吸収してくれる

 

①.美しい光沢感がある

シルク・絹を使った製品は周囲を魅了する上品な美しい光沢感があります。

化学繊維のポリエステルやレーヨンも光沢感がありますがシルク・絹の美しい光沢感とは違います。

シルク・絹繊維は断面がプリズム状になっているおり、光を反射、屈折、分散、吸収と光を乱反射させる性質を持っています。

乱反射させることで気品のある奥ゆかしい光沢感は真珠と例えられるほどの美しさがあります。

シルク・絹は光沢感だけでなくさまざまな染料に染まりやすいことも特徴です。

美しく染まったシルク・絹の製品は発色のある綺麗な色合いは気品、上品さがあり他の繊維・素材と一線を画します。

 

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②.夏は涼しく、冬は暖かい

シルク・絹は湿気を吸い取る吸湿性・吸い取った水分を放出する放湿性・通気性・保温性に優れているので夏は涼しく、冬は暖かいメリットがあります。

夏場に吸湿性、放湿性が優れていない服を着ていると汗や熱気が衣類と肌の間にこもってしまい暑く感じ蒸れることがあります。

シルク・絹は湿気を吸い取り放湿してサラッとした着心地にしてくれるので夏場でも着心地が良いです。吸湿性は綿のおおよそ1.5倍ほどあると言われています。

そのため肌着にも多く使われています。

シルク・絹は繊維の間に細かい気泡がある多孔質構造をしており繊維の間に空気を沢山含んでくれるため断熱効果を発揮してくれます。

暑い日は温度上昇を防ぎ、寒さにも影響されにくい保温性にも優れた繊維・素材です。

 

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③.静電気が起きにくい

シルク・絹は静電気が起きにくい繊維・素材です。

繊維・素材はプラスかマイナスの電気を持っています。

静電気は素材が持つプラスの電気とマイナスの電気を持つ素材が擦れ合うことで発生します。

シルク・絹はプラスの電気を持っていますが、吸湿性に優れているので化学繊維に比べて静電気は発生しにくい素材です。

静電気が発生しにくいといっても著しく乾燥した場合は静電気は避けられません。

静電気はプラスの電気素材とプラスの電気素材、マイナスの電気素材とマイナス電気素材といった同じ性質だと静電気が発生しにくいです。

マイナスの電気素材とプラスの電気素材と異なる素材の組み合わせなら静電気が発生しやすいです。

静電気は空気が乾燥しやすい冬場に発生しやすいです。静電気でお悩みの人はシルク・絹といった静電気が発生しにくい素材の着用、組み合わせによって静電気の起きやすさを変えることがおすすめです。

 

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④.手触り・肌触りの良さ

シルク・絹を使った服は滑らかな手触り・肌触りが良いので着心地が良いメリットがあります。

手触り、肌触りだけでなくシルク・絹は人と同じタンパク質で出来ているので皮膚と相性が良いので肌が弱い人、かぶれやすい人でも使いやすい肌に優しい繊維・素材です。

滑らかさのほかに軽さとしなやかさも兼ね備えているのでシルク・絹を使った服は着心地が良いです。

 

⑤.紫外線を吸収してくれる

シルク・絹の原料である蚕は紫外線を浴びると成長が妨げられてしまうので、蚕の繭は紫外線を吸収してくれる性質があります。

シルク・絹を使った服は紫外線を吸収してくれるので強い日差しから肌を守ってくれるメリットがあります。

 

3.シルク・絹のデメリットとは?

シルク・絹は美しい艶や手触り・肌触りが良いといった多くのメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。

 

◇シルク・絹のデメリット

①.変色しやすい

②.シミができやすい

③.摩擦に弱い

④.虫食いに遭うことがある

 

①.変色しやすい

シルク・絹を使った服は紫外線や日光を吸収してくれる良さがありますが、吸収する力が強いため数回の着用であったとしても強い日差しに長時間当たっていると黄色く変色してしまうデメリットがあります。

紫外線や日光だけでなく汗でも変色してしまうことがあります。

変色してしまったら元に戻すのは難しいです。

シルク・絹を使った衣類の着用や保管には注意が必要です。

 

②.シミができやすい

シルク・絹は水に弱く水ジミ、汗ジミができやすいというデメリットがあります。

シルク・絹は無色透明の水であっても濡れると濡れた部分の繊維が膨張、乱れることで毛並みが変わってしまい、光の反射の変化によってシミに見えるようになってしまうことがあります。

水に濡れることで服に付いていた汚れや柔軟剤が溶け出しシミになってしまうこともあります。

雨で濡れてしまった場合でも排気ガスなどの大気の汚れを含んでいることがあり、シミができてしまうことがあります。

汗によって黄色くシミになることもあります。

シルク・絹は繊維、素材のなかでもデリケートな素材です。

シルク・絹が濡れてしまったら繊維をこすらず素早く拭き取り、クリーニングに出すことをおすすめします。

 

③.摩擦に弱い

シルク・絹は摩擦や擦れに弱いというデメリットがあります。

シルク・絹に摩擦が加わると繊維束が崩れ毛羽立ちが起きてしまいます。

他にも毛羽立ち、キズ、繊維の切れによって白くなる白化現象が起きることがあります。

白化現象で白くなった場合は元の色に戻すのは難しいです。

シルク入りのスーツやパンツの着用中にカバンで擦ってしまい生地が毛羽出ってしまった、柄が消えたしまったという人もいます。

シルク・絹はデリケートな繊維のためシルク混の服を着る際は摩擦や擦れに注意が必要です。

 

④.虫食いに遭うことがある

シルク・絹はタンパク質を含むためシルク・絹繊維・素材を使った服は害虫、虫食いの被害に遭いやすいデメリットがあります。

シルクに限らず害虫はカシミヤ、コットン 、リネンなどの天然繊維を好んで食べます。

汗や皮脂、食べこぼしの汚れが付いたままの収納や放置してしまうと害虫、虫食いの被害を悪化させてしまいます。

一度虫に喰われると修理はできても完全に元には戻せません。

そうならないためにも収納する場合は汚れを落としてから収納スペースを綺麗にし防虫対策をするなどが必要があります。

 

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4.シルク・絹はビジネスアイテムにも多く使われている

シルク・絹の繊維・素材はビジネスアイテムにはあまり使われていないと思っている人もいますがビジネスアイテムにも多く使われています。

ビジネスアイテムでいえばネクタイぐらいではないのか?と思うかもしれませんが高価格なスーツではスーツ生地に使われていたりワイシャツにも使われています。

シルク・絹繊維・素材を使ったスーツやワイシャツは美しい艶や上品さを演出してくれ、高級感で周囲と差をつけるにはおすすめの繊維・素材です。

もちろんご紹介したデメリットがあるのでシルク・絹繊維・素材のスーツなどを使う場合はデメリットを理解した上で使うようにしてください。

 

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5.まとめ

シルク・絹は蛾の幼虫の蚕の繭を原料とした天然繊維・素材です。

タンパク質を含んでおり「第二の皮膚」と言われるほど身体に優しい高級繊維・素材です。

フォーマルから肌着まで幅広い服に使われています。

シルク・絹を服に使うと自分自身、周囲を魅了する美しさ、手触り・肌触りがあり機能性と多くのメリットがある見た目、着心地ともに良い繊維・素材です。

しかしシルク・絹は繊維・素材のなかでもデリケートな素材なため着用中や取扱い、保管には注意が必要です。

どんな素材にもメリット・デメリットの特徴があります。

せっかく購入した服を長く着るには繊維・素材の特性を知っておくことは重要です。

メリット・デメリットを知っておくと日々の生活や買い物の役に立ちます。

今回ご紹介した内容が皆様の役に立てば幸いです。

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