自分の体型にフィットし、好きな色柄の生地、デザインが選べる「パターンオーダーのスーツ」。
「身長が高い・低い」、「体型が太い・細い」男性は既製品のスーツ(出来上がっているスーツ)ではサイズが合わないため、パターンオーダーをしている人は多いです。
しかし一般的な体型の男性は既製品のスーツで身体に合うためわざわざパターンオーダーをしていない人は多いです。
パターンオーダー自体を知らない人もいます。
パターンオーダースーツが年齢・体型に関わらず愛されているメリット・人気の秘密をご紹介します。
1.パターンオーダーとは?
スーツのオーダーといっても種類があることをご存知でしょうか。
スーツのオーダーには「フルオーダー」・「イージーオーダー」・「パターンオーダー」と種類があります。
パターンオーダーとは気に入った生地を選び、一番自分の体型に近いサイズのスーツからサイズを微調整していくオーダー方法です。
自分の体型に合わせてゼロから型紙を起こす「フルオーダー」や補正範囲が広い「イージーオーダー」とは違う、オーダーのなかでも簡易なオーダー方法です。
パターンオーダーは簡易のオーダーながらも好きなボタン・裏地の色・サイズの微調整・仕様を変更できるため、自分好みのデザイン・フィット感のスーツにカスタマイズすることができます。
パターンオーダーはオーダースーツに慣れていない男性でも手が出しやすいオーダーとなります。
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2.パターンオーダーのメリット①
パターンオーダーに限らずオーダーでは「紺・ブルー・グレー・ブラウン・カーキ」、「無地・ストライプ・チェック」と好きな色柄の生地を選べるメリットがあります。
既製品のスーツで気に入ったスーツがあっても自分のサイズが無くて諦めたことはありませんか?
オーダーだとサイズの心配がなく、生地がある限りオーダーでスーツを仕立てることができます。
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スーツが好きな男性や上質さを求める人は色柄だけでなく、生地のブランドや生地のクォリティにこだわる人も多いです。
オーダーでは既製品に比べて豊富な種類から生地を選べるので求める生地を見つけやすいです。
例えばイタリアの人気・有名生地を使った「エルメネジルドゼニア」・「ロロピアーナ」などのスーツは既製品で展開はしていても種類が少なく、生産数量も多くはありません。
「エルメネジルドゼニア」や「ロロピアーナ」は高品質な生地なので既製品のスーツで展開すると価格が高く、低価格のスーツと比べると爆発的に売れるわけではありません。
そのため既製品のスーツでは「ゼニア」・「ロロピアーナ」などの高品質な生地のスーツはサイズ展開・種類が少ないので選べる選択肢が狭いです。
オーダーだと既製品に比べて数多くの種類から選ぶことができます。
「ゼニア」・「ロロピアーナ」以外のイタリア・イギリスなどの有名ブランド生地も数多くの種類から選ぶことができます。
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3.パターンオーダーのメリット②
パターンオーダーでは簡易なオーダーながらもボタン・裏地・仕様を自分好みのスーツにカスタマイズすることができます。
ボタンでは水牛のボタン、貝ボタンなどを選ぶこともできます。
たかがボタンと思われるかもしれませんが、ボタン選びもオーダースーツを作る醍醐味です。
選ぶボタンによって見ための高級感や華やかさ、スーツの印象が変わります。
裏地では既製品にはない発色の良い赤、ペイズリーなどの派手な色やベーシックな色と様々な色柄が選べます。
ベーシックな裏地を選ぶ人もいますが、せっかくのオーダースーツということで既製品にはない色や自分の好きな色を選ぶ人も多いです。
裏地選びもオーダースーツの醍醐味です。
仕様ではスーツの襟部分を「ピークドラペル」や「ノッチラペル」、裏地を「背抜き」・「総裏」・「単衣」、袖ボタンの数、「本切羽本開き」など選ぶことができます。
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既製品では裏地の仕様が「総裏」なら「総裏」のままで変更ができません。
「総裏」は秋冬に多い裏地の仕様。
「背抜き」は春夏に多い裏地の仕様。
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「単衣」は真夏に多い裏地の仕様。
薄い生地を選んで「総裏」、適度な生地の厚さの生地を選んで「背抜き」にすることで「オールシーズン」使える裏地の仕様にすることも可能です。
袖ボタンでは数を多くすることや少なくすることも可能です。
既製品のスーツでは袖のボタンは通常開閉できませんが、オーダーだと袖ボタンを開閉できる高級感ある仕様の「本切羽本開き」にすることも可能です。
袖ボタンを「本切羽本開き」にする仕様もオーダースーツの魅力であり、醍醐味です。
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4.パターンオーダーのメリット③
パターンオーダーではお客様の好みや要望によってある程度「デザイン」を変えることができます。
既製品のスーツではジャケットとパンツを組み合わせた「ツーピーススーツ」が多いです。
スタイリッシュさやオシャレ感のあるベスト付きの「スリーピーススーツ 」にすることやスペアパンツを付ける「ツーパンツスーツ 」、重厚感と貫禄を演出する「ダブルスーツ」にすることもできます。
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ジャケットのポケットの角度では通常「水平のポケット」が多いですが、斜めにする「スラントポケット」にすることも可能です。
ポケットを斜めにすることで「スタイリッシュさ」を演出するこもができます。
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5.パターンオーダーのメリット④
パターンオーダーでは自分の体型に近いサイズからサイズを微調整していくので、出来上がりのサイズにズレが生じにくいです。
既製品のスーツを修理したら済むのでは?と思われるかもしれません。
パターンオーダーでは既製品では修理できない箇所や修理をオススメしない箇所を調整することができます。
既製品では肩幅はサイズ調整ができず、着丈などの修理はオススメしません。
袖の修理やウエスト・太もも、様々な箇所を修理すると値段も高くなってしまいます。
パターンオーダーをすると最初に体型に合わせて仕立てるので修理代はかかりません。
パターンオーダーで調整できる箇所は「肩幅」・「胴回り」・「着丈」・「袖」・「ウエスト」・「股上」・「お尻」・「太もも」・「裾」と様々な箇所を調整することができます。
例えば既製品ではジャケットのサイズはちょうど良くてもパンツはもうワンサイズ上のサイズが良いという要望の人は多いです。
パターンオーダーではサイズを上下組み替えることができる魅力・メリットもあります。
高品質な既製品のスーツの場合は、股ずれ防止の「尻シック」というものが付いていますが、低価格のスーツには付いていないことが多いです。
修理で「尻シック」を後付けで付けることは可能ですが、パターンオーダーだと最初から付けれるところが多いです。
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6.パターンオーダーのメリット⑤
パターンオーダーで最初から自分の体型に合わせて作っておくことは後々太った場合でも修理がしやすいメリットがあります。
既製品のスーツのパンツの場合、修理でウエストを大きくできても4センチほどです。
太ももはおおよそ1センチほどです。
最初から既製品を修理して着てしまうと太った際、大きくすることが難しいことがあります。
例えば既製品のウエスト82センチのパンツを85センチに修理して着用したとします。
残りは1センチほど、おおよそ86センチまでしか大きくすることはできません。
パターンオーダーだと元々85センチで仕上げることが可能で、太ってしまったとしても89センチまで大きくすることができます。
パターンオーダーは太ってしまってもスーツを長く使えるメリットがあります。
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7.パターンオーダーを作る時の注意点
パターンオーダーは簡易なオーダーといっても価格が安い店から高い店まであります。
価格が安いお店だと1万円後半、2万円ほどから、高い店だと20万円以上と価格の幅は広いです。
多くの人は値段に関わらずオーダーすれば「品質が良い」・「身体に合う」・「高級感がある」・「カッコ良い」・「着心地が良い」と思っている人が非常に多いです。
そのため同じオーダースーツが出来るなら価格は低価格のところで良いのでは?と思っている人がいます。
しかしオーダースーツだからといって必ずしも良いというわけではありません。
スーツだけでなく、何においても安い物には安い理由があります。
スーツでは着心地が良く、見映えを上品に見せるなら生地はもちろん、使う副資材・高い縫製技術が必要です。
高い生地を使っているから「高品質」と思われる人もいますが、技術が伴っていなければ生地の良さは発揮されません。
良い生地ほど仕立ては難しいです。
仕立てが良くないと良い生地を使ったオーダースーツでも出来上がりが「安っぽいチープな印象」・「着心地が良くない」・「型崩れしやすい」スーツになってしまいます。
低価格のオーダースーツと言えば消費者が食いつくと思い、安さのみを謳っているオーダースーツ店などもあるほどです。
オーダースーツならではの「見映えの良さ」、「着心地の良さ」、「長く使う」ことを求められるなら生地・副資材・技術が伴ったお店で仕立てなければなりません。
良いスーツを手に入れようと思えば、ある程度の金額が必要ということです。
低価格で品質の良いパターンオーダーもありますが、値段だけで判断するのでなく、仕立てにも注意するようにしてください。
高いスーツを買う意味ってあるの?高いスーツを着る7つのメリット。
8.パターンオーダーはどこで作るべき?
パターンオーダーのスーツを販売しているお店はネット・専門店・量販店・百貨店・セレクトショップまで多数あります。
パターンオーダーにチャレンジしたいと思っても「どこに買いに行けば良いのかわからない」人は多くいます。
どこで買えば良いか悩んでいる男性は参考までに百貨店・セレクトショップを検討されてはどうでしょうか。
百貨店は決して安くはありませんが、一つのフロアにブランドが多数入っており、ほとんどのブランドで既製品だけでなくパターンオーダーも取り扱っています。
一つの場所で比較検討することができるメリットがあります。
百貨店に多いスーツブランド10ブランドまとめ(五大陸、ダーバン、ブルックス、マッキントッシュ、リング、ティモシー 、リチャードジェームスetc)
セレクトショップも同様にファッションビルなどに多数入っているので比較検討がしやすいです。
青山、ユニクロ以外でスーツが欲しい人にはセレクトショップオリジナルスーツがおすすめ。(ビームス・ユナイテッドアローズ・シップス・アーバンリサーチ・トゥモローランド・エディフィスetc)
各ブランドやお店ごとに価格はバラバラですが、おおよそ8万円〜10万円前後。
「高品質なスーツ」が手に入りやすいです。
見に行く場所に困っている人は一度百貨店やセレクトショップに見に行かれたらどうでしょうか。
年齢・体型を問わず愛されるパターンオーダーのメリット・人気の理由をご紹介しました。
パターンオーダーのスーツはメリットが沢山あるので、パターンオーダーをされたことがない人は一度チャレンジされてはどうでしょうか。