ビジネスやフォーマルな場で欠かせないスーツ。
しかし「ダブルスーツとシングルスーツの違いは?」と聞かれると、意外と答えられない方も多いのではないでしょうか。
スーツ販売歴15年以上の筆者が、ダブルスーツとシングルスーツの特徴・選び方・体型別のおすすめ・TPOに合わせた着こなしを徹底解説。
就活・営業・冠婚葬祭など、シーン別に最適な一着を失敗なく選べるようになります。
ダブルスーツとシングルスーツの基本的な違い
■デザインとボタン配置の違い
シングルスーツは前ボタンが1列で、1〜3つのボタンが一般的です。シンプルで軽快な印象があり、幅広い年齢・業種で着用されます。
一方、ダブルスーツは前ボタンが2列に並んだデザインで、4つまたは6つボタンのスタイルが主流。
胸元が重なり生地が多くなるため、重厚感と存在感が際立ちます。
着用シーンとフォーマル度の目安
シングルスーツはビジネスからカジュアルフォーマルまで幅広く対応。
ダブルスーツは格式や威厳を求める場、公式な場面に向いていますが、現代のビジネスシーンでは少数派のため、個性を強調したいときにも効果的です。
フォーマル度の比較|どちらが格式高いのか
シングルスーツとダブルスーツに格式の上下はないと言われていますので、両者ともに平服・略礼服として問題なく着用できます。ただし印象の違いははっきりしており、
- **シングルスーツ**:
無難で汎用性が高く、取引先訪問やプレゼンなど多様なシーンに適応。
- **ダブルスーツ**:
重厚感と威厳が強調され、役職者や重要会議など、存在感を求められる場で効果を発揮します。
**冠婚葬祭での選び方**
結婚式や葬儀などでは、どちらも正しいマナーで着れば失礼にはあたりません。
フォーマルムードをより高めたい場合は、ダブルスーツがおすすめです。
シックな色合いを選べば、厳粛さと上品さが際立ちます。
高級感・威厳を出す場面ではどちらが最適か
- 大切な商談
- 国際的な会議
- 公式レセプション
こうした場面では、ダブルスーツが存在感と格式を演出しやすいです。
逆に、柔らかい印象を与えたい場合や親しみやすさを重視する場ではシングルスーツが有効です。
体型別おすすめスーツタイプ
**細身体型に似合うのは?**
細身体型の方には、体のラインを引き立てる**スリムフィットスーツ**がおすすめです。
ジャケットはウエストを軽く絞るシルエットを選び、肩パッドは自然なものにすることで、華奢な印象をカバーできます。
ストライプ柄や濃い色のスーツは、縦長効果でスタイルアップも期待できます。
**がっしり体型に似合うのは?**
筋肉質や大柄な方は、**クラシックフィットスーツ**がバランスよく見えます。
肩や胸周りに余裕のあるジャケットを選び、無地や控えめな柄で落ち着いた雰囲気に。パンツはタック入りで腰回りに余裕を持たせると、動きやすく見た目もスマートです。
**低身長/高身長に合わせたスタイル選び**
低身長の方は、ジャケット丈が短めで、パンツはテーパードタイプを選ぶと脚長効果が出ます。
高身長の方は、ジャケット丈やパンツ丈をやや長めにして、全体のバランスを整えるのがポイント。柄は低身長なら細ストライプ、高身長なら大柄チェックや広めピッチのストライプが◎。
失敗しない着こなしポイント
■ **シャツ・ネクタイ・靴の合わせ方**
基本は**白シャツ+シンプルなネクタイ+黒もしくは茶の革靴**が王道。
ビジネスはネイビーやグレーのスーツに、同系色や補色のネクタイを合わせるとまとまり感が出ます。冠婚葬祭では黒の革靴が必須。
■**色・柄の選び方と注意点**
ビジネスではネイビー・チャコールグレーが定番で、派手すぎる柄はNG。
就活や面接は無地、営業は細ストライプも可。柄の大きさや色のコントラストはTPOに応じて選びましょう。
■**季節・素材に合わせた着こなし術**
夏は**通気性の良いトロピカルウールやリネン混**、
冬は**厚手のフランネルやツイード**を活用。
春秋はオールシーズン対応のウール生地が便利です。インナーや小物の素材感も季節に合わせると印象が整います。
シーン別おすすめコーディネート例
■ **就活・面接での着用例**
**濃紺またはチャコールグレーの無地スーツ+白シャツ+無地ネクタイ(紺またはエンジ)+黒革靴**が鉄則。派手な時計やアクセサリーは避け、清潔感を徹底。
■**営業・プレゼン時の好印象コーデ**
ネイビーのスーツに薄ブルーのシャツ、柄は細ストライプで誠実かつ爽やかな印象に。
ネクタイは相手企業のコーポレートカラーに合わせると会話のきっかけにも。
■**結婚式・葬儀でのマナー重視スタイル**
結婚式はダークスーツに白シャツ、シルバー系ネクタイで華やかさを演出。
葬儀は黒無地スーツに黒ネクタイ・白シャツ・黒革靴で、アクセサリーや飾りは控えるのがマナーです。
**ダブルスーツ・シングルスーツの選び方チェックリスト**
**TPOと目的から選ぶ**
ビジネスシーンでは、シングルスーツが一般的。
会議や営業など幅広い場面で着用でき、フォーマル度と汎用性のバランスが取れています。
フォーマルな式典や格式高い場では、ダブルスーツが重厚感と威厳を演出。特に結婚式、授賞式、公式行事におすすめです。
カジュアルなビジネスカジュアルでは、シングルスーツをジャケット単体で着回すスタイルが最適。
■**予算・生地・仕立てで選ぶ**
予算は、長く着用したい場合は中〜高価格帯のオーダーメイドやパターンオーダーが安心。安価な既製品でも、サイズが合えば充分に格好良く見えます。
生地は、オールシーズン用ならウール100%やウール混紡がおすすめ。
夏はトロピカルウールやリネン混、冬はフランネル生地で季節感を演出。
仕立ては、肩幅やウエストラインのフィット感が鍵。
ダブルスーツは胸元が広く構造的に見えるため、縫製技術の良し悪しが目立ちます。
失敗しない購入時の試着ポイント
- **ジャケットの肩幅**は、肩の骨にぴったりフィットするものを選び、肩パッドの浮きや張り出しを確認。
- **袖丈**は、腕を自然に下ろしたときにシャツのカフスが1〜2cm見える長さが理想。
- **パンツ丈**は、立ったときに靴の甲に軽く触れる程度。
- **前ボタンのフィット感**は、立って留めた状態で軽くこぶし1つ分の余裕があるものが快適。
- **着席時のシワや突っ張り感**を試着時に必ず確認。特にダブルスーツは生地の余裕が必要です。
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スーツ販売歴15年以上の筆者が、ダブルスーツとシングルスーツの特徴・選び方・体型別のおすすめ・TPOに合わせた着こなしをご紹介しました。
今回ご紹介した内容が皆様のスーツ選びの参考になれば幸いです。