スーツを購入したら、パンツ・スラックスの裾上げを「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」どちらにされるか尋ねられます。
購入の際、販売員さんに聞けなかったけど
「シングル仕上げ」と「ダブル仕上げ」はどう違うのか?
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」どちらが多いのか?
「ダブル仕上げ」にしてみたいけど、おじさんっぽくないのか?
スーツの「裾上げ」について疑問を持っている人はいるのではないでしょうか。
スーツの裾上げはスーツの「デザイン」・「自分の印象」・「着ていく場所」によって変わります。
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」の違いを知れば、スーツ選びも楽しくなります。
スーツの裾上げの「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」についてご紹介します。
スーツの裾上げの種類
スーツの裾上げはいくつか種類があります。
①.シングル仕上げ・・裾の折り返しがない仕上げ方
②.ダブル仕上げ・・裾の折り返しがある仕上げ方
③.モーニングカット・・足の甲からかかとに向かって長くなっている仕上げ方
④.タタキ仕上げ・・表に縫い目が見える仕上げ方
スーツの裾上げでは「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」のどちらかです。
「タタキ仕上げ」はカジュアルな綿パンで多く、ビジネスではジャケパンスタイルやセットアップスタイルの綿パンで用いられます。
「シングル仕上げ」と「ダブル仕上げ」はどう違うの?
裾の仕上げ方である「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」は「着用シーン」・「足元の印象」に違いがあります。
・シングル仕上げ
ビジネス・フォーマルまで使える一般的な裾上げ方法で、ドレッシーな印象です。
「シングル仕上げ」は「ダブル仕上げ」と違い、足元をすっきりと見せ、足を長く見せる効果があります。
日本ではスーツを買って、年齢を問わず7割〜8割の人が「シングル仕上げ」を選びます。
・ダブル仕上げ
「ダブル仕上げ」の起源はいくつかありますが、どれも泥除けや雨を避けるために生まれたのが始まりです。
「ダブル仕上げ」はビジネス・カジュアルで使える裾上げ方法で、「シングル仕上げ」よりカジュアルな印象です。
「シングル仕上げ」と違い「ダブル仕上げ」はフォーマルなシーンでは使えません。
フォーマルシーンでは「ダブル仕上げ」が生まれる前から「シングル仕上げ」が使われていたことやタキシード・燕尾服のスラックスには側章が付くので「ダブル仕上げ」ができない点から冠婚葬祭では「シングル仕上げ」が一般的とされています。
「ダブル仕上げ」にすると「シングル仕上げ」にはない足元の重厚感・カジュアル感を演出することができます。
足元だけでなく、「ダブル仕上げ」は生地の重みによってクリースラインを綺麗に見せる効果があります。
欧米では「ダブル仕上げ」が一般的で、フォーマルなシーンに「シングル仕上げ」が用いられます。
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」にするかで足元の印象に違いが生まれます。
自分の足元をどう演出したいかによって、裾上げを決められたらよいのではないでしょうか。
スーツ-パンツの裾上げ後「シングル」から「ダブル」に再修理・変更できるの?
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」はどんなスーツに合うの?
「シングル仕上げ」は一般的な裾上げ方法のため、どんなスーツにも合わせやすいです。
裾上げに迷うのであれば「シングル仕上げ」が無難な方法です。
細身のスーツスタイル・裾幅が細いパンツ・スラックスの裾上げを「シングル仕上げ」にするとスッキリとカッコ良い印象になります。
「ダブル仕上げ」はスリーピーススーツ・ダブルスーツなどの重厚感あるデザインや色柄に合わすのが向いています。
他にも「ダブル仕上げ」はカジュアルな印象もあるため、ジャケパンスタイルなどのビジネスカジュアルスタイル・オフィスカジュアルにも向いています。
裾上げの方法はスーツだけでなく靴の印象によって仕上げ方を変える方法もあります。
靴がシンプルな場合に裾上げを「ダブル仕上げ」にすると足元にボリューム感が出て重厚感が出ます。
いつも「シングル仕上げ」だから「シングル仕上げ」にするということではなく、スーツの雰囲気・シルエットのバランスを見て裾上げ方法を選ばられたら良いのではないでしょうか。
百貨店に多いスーツブランド10ブランドまとめ(五大陸、ダーバン、ブルックス、マッキントッシュ、リング、ティモシー 、リチャードジェームスetc)
「ダブル仕上げ」の折り返し幅(カブラ)は何センチ?
裾の「ダブル仕上げ」は折り返し幅に決まりがなく幅を指定することができます。
折り返し幅のことをカブラ幅と言います。
「ダブル仕上げ」の折り返し幅(カブラ幅)の一般的な太さは3.5センチ〜4センチほどと言われています。
近年では折り返し幅(カブラ幅)を太めにされる人が増えています。
しかし太めの折り返し幅(カブラ幅)は足が短く太く見えることがあります。
「ダブル仕上げ」にするなら流行に捉われずに自分の体型を考えて折り返し幅(カブラ幅)を選ばられたらどうでしょうか。
「ダブル仕上げ」は「糸留め」・「ボタン留め」のどちらが良いの?
「ダブル仕上げ」では折り返しを止める方法として「糸留め」と「ボタン留め」があります。
「糸留め」が世界では一般的ですが、日本では「ボタン留め」が多いです。
「ダブル仕上げ」の折り返し部分にはゴミやホコリが溜まりやすいので、掃除がしやすいように「ボタン留め」が生まれました。
「ボタン留め」は日本式なので本格派を意識するのなら「糸留め」が良いです。
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」で裾の長さは変えるべき?
裾上げの長さは「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」によって裾上げの長さは変えるべきです。
「シングル仕上げ」は足元がスッキリと見える仕上げ方なので、裾上げの長さは短め〜長めまで対応できます。
「ダブル仕上げ」は足元に重厚感が出るので、「シングル仕上げ」より短めに仕上げられるのが良いです。
「ダブル仕上げ」の裾の長さを長めにしてしまうと足元を野暮ったく、重々しい雰囲気になってしまいます。
裾の長さは好みですが、スーツを綺麗に着こなすためには仕上げ方によって裾の長さを意識する必要があります。
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」はどちらが良いのか?
裾の仕上げ方はフォーマルなシーンのみ「シングル仕上げ」にするということ以外、人それぞれの好みのためどちらが良いということはありません。
裾の仕上げ方法は「スーツの形」・「デザイン」・「シルエット」よって変えるべきです。
私個人もスーツによって裾上げ方法を変えていますが、「ダブル仕上げ」の足元の重厚感が好きなので「ダブル仕上げ」にすることが多いです。
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」のどっちが良いか悩んでいる人は素材・ ヘム幅などの条件はありますが、一度「シングル仕上げ」にし、飽きられたら「ダブル仕上げ」にするということも考えられたらどうでしょうか。
スーツのパンツ・スラックスは裾上げ後、再修理は可能?股下はどのくらい長く修理できるの?
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」の価格はいくらくらい?
「シングル仕上げ」・「ダブル仕上げ」によって裾の修理料金が変わります。
シングル仕上げ・・約500円〜800円
ダブル仕上げ・・約800円〜1000円
※価格は前後する場合があります。
「シングル仕上げ」の方が修理として簡単であり、「ダブル仕上げ」の方が手間がかかるため価格に違いがあります。
9.「ダブル仕上げ」の年齢は?
「ダブル仕上げ」はおじさん向きの裾上げ方法と認識されている人がいます。
「ダブル仕上げ」に年齢は関係ありません。
現在では若者にも多く取り入れられており、セレクトショップの店員さん・ブランドの販売員さんなども「ダブル仕上げ」の人が多いです。
「ダブル仕上げ」の方がおしゃれに見える・こだわっている人に見えるという理由で取り入れる人が増えています。
おじさん向きだから「ダブル仕上げ」をしないということでなく、スーツの「デザイン」・「雰囲気」・「シルエット」で裾上げ方法を選ばられたら良いと思います。
スーツをこだわればスーツ選びはもちろん、仕事が楽しく周囲の印象が変わります。
スーツを購入の際は「裾上げ」も意識されてみてはどうでしょうか。
今回ご紹介した内容が皆さまのお役に立てれば幸いです。